【選手考察】松岡洸希選手の2022年7月成績
今回は松岡投手を取り上げます。
松岡投手といえば、子猫が深刻な投手不足に見舞われた際、無理くり投げさせられて成績をかなり悪化させてしまった「被害者」という印象が強い。しかし投手不足が解消されてきた6月に姿を消すと、以降は間隔をかなり空けながら投げている。
姿を消しがちな理由は、おそらくフォームの変更であろう。5月と7月とではフォームが変わっている。和製林昌勇と言われたフォームは鳴りを潜めてしまったのはファンにはちょっと残念かも知れないが、とにもかくにも内容は格段に良くなっているのだ。
まずは6〜8月の登板試合を見ていこう
- 6/10 ヤクルト戦 1回0安打無失点 奪三振1 死球1
- 7/10 ロッテ戦 1回1安打無失点 奪三振2
- 7/28 楽天戦 1回2/3 1安打無失点
- 7/30 ヤクルト戦 3回4安打無失点 奪三振4
- 8/2 ロッテ戦 2回1安打無失点 奪三振2
1死球はあるものの、四球はゼロ。一方、三振は変わらず獲れている。あとで数字を比較していくが、これは大きな変化と言ってよいだろう。一方で被安打は多いように見えるものの、7/30におそらく想定外の事態で3イニング51球を投げざるを得なかったことが大きい。
次に主な指標を見てみよう。5月と7月の数字を比較する。
K-BB%は大幅に改善している。四球を出さなくなったから当然だが、奪三振率はもともと非常に優秀はことは忘れてはならない。5月は成績的にボロボロであっても三振はよく奪っていた。絶不調期もありながら空振り率12.3は立派である。そのためFIPは防御率ほど大きくは改善していない。
四球が減っているのはストライク−ボールの比較でも明らかであり、5月がストライク85ボール125なのに対して、7月はストライク38ボール41である。
ていうか5月DER.393ってなんだ。フィールドに飛んだ球の6割がヒットだったってことになる。子猫守備のせいなのか、なんなのか。
ということで5月と7月で打球管理を比較してみよう。
打球の強さについてSoft-Mid-Hardで分類すると、5月11%-51.9%-37.0%である。弱い打球が11%しかないことがわかる。もともと強い打球を打たれがちな傾向にはあるが、さすがに低すぎる。
これが7月になると33.3%-20.0%−46.7%となる。Hardの比率は心配になるくらい高いが、サンプル数が少ないことも影響していくかも知れない。何よりもSoftが33%と普通になっている。これに合わせてか、内野フライも5月なんとゼロ(!)だったのに対し、7月は16.7%といい感じで抑えられている。元来の空振りの多さに加えて当てられても抑えられるようになれば、中継ぎとしてかなり期待できるだろう。
松岡投手はこのフォームをしっかりと固めて今の投球傾向を続けていれば、一軍のチャンスも大いに出てくるだろう。早めにチームが優勝を決めて、消化試合で一軍登板なんて出来たら素敵ですね(希望的観測)