【選手考察】赤上優人選手の2022年7月成績
赤上選手にとって2022年7月は忘れられない月になったことだろう。
隅田・大曲両投手の辞退によるフレッシュオールスター出場、さらにその数日後には念願の支配下登録を獲得した。
さて7月の成績を見ていきたいが、その前に確認しておくべきは赤上投手は5月末までは中継ぎで、その後先発として大きく躍進したということである。とはいえ、すでに5月の頭には2イニング以上のロングリリーフを任されることが増えている。初先発は5/26、9連戦中の「谷間」を埋める役割ではあったが、先発構想そのものはもっと早くからあったのかも知れない。
さて7月に限らず初先発以降の登板を見ていこう
- 5/26 ロッテ戦 5回6安打4失点 奪三振4 四球1
- 6/1 楽天戦 3回3安打無失点 奪三振4 四球1(リリーフ)
- 6/16 ロッテ戦 6回6安打3失点 奪三振6 四球3
- 6/23 巨人戦 5回6安打無失点 奪三振6 四球0
- 7/1 巨人戦 2回3安打2失点 奪三振2 四球1(リリーフ)
- 7/16 De戦 7回3安打無失点 奪三振13 四球3
- 7/27 楽天戦 5回3安打無失点 奪三振4 四球3
先発の中では7/16のDe戦が突出している。3安打のうち2安打は初回であり、しかも初回のみ雨が強かった。2安打1四球で満塁のピンチを三振で切り抜けると、2回以降は圧巻の奪三振ショーを披露した。イースタンの中でも強力なDe打線を子供扱いしたことは大いに評価されるべきである(一方で、ここだけ突出しすぎている感もある)
主な指標を見てみよう。上にも書いたように赤上投手は最初は中継ぎ、5月はロング、6月以降はほぼ先発で投げている。したがってこれも月別に並べることで特徴が見えてくるはずだ。
- 防御率 3.68 → 2.03 → 1.93 → 1.29
- K-BB% -11.8(8.8-20.6)→ 11.1(14.8-3.7)→ 16.9(23.7-6.8) → 21.1(33.3-12.3)
- FIP 6.41 → 3.02 → 2.40 → 3.26
- DER .818 → .721 → .634 → .733
全ての面で先発時代が中継ぎ時代を圧倒している。ただ、あれ?動いてるのを見た印象よりも数字はそんなに良くないぞ?という感想である。まあ、西武のピッチャーにはよくある話でもある。
ちなみに防御率がどんどん低下するのに対して7月のFIPは高めである。これはシーズン唯一のホームランを打たれているからである。逆に7月の失点はこのホームランのみである。
赤上選手の良さはさくさくと小気味よくイニングを重ねていく能力である。例えば7/16のDe戦では13奪三振を取りながら7回を110球で回っている。初登板ですでに5回78球と、子猫先発陣の中ではヘレラに次いで球数を抑えられるタイプである。ファームだったらやはり多くても5回80球くらいでさくさく回ってもらえると良いなと思っているので、ヘレラと赤上の投球は非常に好ましく感じる。
赤上投手は一軍に上がった場合、まず中継ぎからではないかと思われるので、ぜひとも四球を減らし三振を増やすピッチングを目指して欲しい。7/16のDe戦に近い奪三振を、より少ない四球で続けられれば可能性は大いに開けてくるように思う。
7月成績の投手編、次はヘレラ投手・松岡投手を取り上げたいと思います。