【ファーム】埼玉西武7月までの歩みを振り返る
今日は試合がない、というか当分ないという事態に陥ってしまったので、ここまでのイースタン西武の歩みを辿っていこうと思う。
8月3日終了時点で西武は36勝40敗4分、イースタン5位である。
子猫は一軍と同じで長打のチームだ。打率は.248でリーグ4位タイとそうでもないが、OPS.700は楽天に次いで2位。チームOPSが.7を超えるのはこの2チームだけである。この高OPSを支えてるのは.372と1位楽天に2厘差に迫る長打率にある。なにしろ長打力だけで見ればリーグNo.1。ホームラン率も1位である。一方、出塁率は極端に高出塁の楽天、低出塁のハムがいる中ではリーグ平均クラスである。ぶんぶん振り回してるわけでなく、ちゃんと四球も選べている。
続いて月別の成績を見ていく。
まずは打撃成績の推移
試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 出塁率 | 長打率 | OPS | ISO | K% | BB% | BB/K | |
3/4月 | 25 | .244(4) | 15(3) | 98(3) | .327(4) | .349(4) | .676(3) | .105(4) | 16.8(7) | 10.2(4) | 0.61(2) |
5月 | 19 | .232(6) | 13(3) | 66(4) | .301(6) | .342(5) | .644(6) | .110(3) | 17.9(4) | 8.7(4) | 0.49(5) |
6月 | 20 | .267(3) | 23(1) | 111(2) | .348(1) | .421(1) | .769(1) | .154(1) | 18.5(5) | 10.8(1) | 0.58(2) |
7月 | 14 | .261(2) | 10(2) | 66(2) | .348(1) | .396(3) | .743(3) | .135(2) | 19.3(4) | 11.0(1) | 0.57(3) |
3月4月、さらに5月の途中までは打撃が低調だった。これは怪我人や不祥事での離脱が出たのと、渡部選手が絶不調だったことによる。さらに4月終盤から陽性者が次々に発生し、一軍に昇格した選手も多かった。
一方で5月中旬から後半にかけては森友哉選手や西川愛也選手、ブランドン選手も復帰し、少しずつ打線も活性化した
3月4月の主要打者をOPS順に並べるとこうなる
- 長谷川(1.154)
- 古賀(.878)
- 高木(.861)
- 若林(.789)
- 川越(.715)
5月の顔ぶれはこう変わる
- 川越(1.227)
- 西川愛也(1.038)
- ブランドン(.929)
- 長谷川(.928)
状況が一気に変わるのは6月だ。離脱選手の復帰やコドラド選手の加入によってリーグでも屈指といえる打撃陣が形作られるのである。岸選手や呉選手、山野辺選手もこの頃に2軍落ちしている。しかしブランドン選手はまた離脱してしまう。
- 高木渉(1.090)
- 中熊(.989)
- 鈴木(.839)
- 西川(.826)
- ジャンセン(.822)
1.長谷川、2.ジャンセン、3.西川、4.渡部、5.高木渉、6.中熊、7.コドラド
これはもう新山賊打線と呼んでいい。
なぜかOPSが突出してる選手はいないが、総じてよく打ったことが6月のOPSリーグ1位からよくわかる。
さて7月。後半に若手を中心としたクラスターが発生し試合が中止になるなど、またやりくりに苦労する時期になる。一軍二軍の入れ替えも頻繁であり、コンスタントに打席に立っている選手が少ない。比較的多く打席に立っている選手を並べるとこうなる。
- 西川(1.363)
- 山野辺(1.143)
- ブランドン(1.140)
- 鈴木(1.055)
- 仲三河(1.002)
- 川野(.965)
- 戸川(.875)
OPS1超えの選手が並んでいる。鈴木選手はその後一軍に上がり、陽性で離脱するまでかなりの好成績を残している。そして注目なのは仲三河選手、川野選手の成長である。これは個別の記事にしてみたんで併せて読んでみてほしい。
続いて投手成績の推移である。
試合 | 勝敗 | 防御率 | WHIP | DER | FIP | K% | BB% | K-BB% | |
3/4月 | 25 | 12勝12敗1分 | 3.51(5) | 1.30(3) | .722(1) | 4.55(7) | 17.4(5) | 10.9(6) | 6.5(6) |
5月 | 19 | 4勝15敗 | 5.60(7) | 1.77(7) | .600(7) | 3.89(2) | 17.4(5) | 9.6(7) | 7.8(6) |
6月 | 20 | 10勝8敗2分 | 3.51(5) | 1.30(3) | .649(7) | 4.55(7) | 17.1(5) | 7.5(2) | 9.6(3) |
7月 | 14 | 10勝4敗 | 3.56(5) | 1.43(7) | .649(7) | 4.29(5) | 18.8(4) | 9.4(4) | 9.4(4) |
5月まではともかく投手がいなかった。
それでも3/4月はまだ持ちこたえていた方ではあるが、本田投手が154球投げたり、松岡投手が12試合投げたりしている
4月末に中継ぎ陣の陽性者が増えてくると事態はさらに深刻になる。これまでファームを支えてきた本田投手、與座投手が一軍入り。投手の層はガチのマジで薄くなってしまい、先発が無理やりにでもイニングを食わないといけない状況になってしまうのだ。こうなるともはや勝ち負けよりも9回を終わらせようということで、11の借金、防御率5点台後半という悲惨な事態になってしまう。渡邉投手、怪我から復帰してきた浜屋投手も調子が上がらなかった。ただ、こうした悲惨な状況の中でも復帰選手や、ヘレラ投手の加入、赤上投手の先発転向など、翌月の飛躍につながる要素はあった。
6月に入ると事態はかなり改善する。浜屋投手、渡邉投手、ヘレラ投手、赤上投手という柱が安定したのに加え、二軍落ちした隅田・佐藤投手、怪我から復帰してきた今井投手など先発陣が増えてきた。中継ぎも復帰組が多くなり、運用は比較的ホワイトになってきた。
7月はその傾向がさらに強まる。投手陣が安定したことで抑えられる試合が増え、連勝を重ねていくことが出来た。借金返済の目処も立ってきたのである。
しかし好事魔多し、7月中旬から若手選手を中心としたクラスターが発生し、試合中止も多くなった。再開後も5月ほどではないがピッチャーのやりくりには苦労している状況である。
歩みを振り返ってみたが、子猫の状態は非常に良い。コロナ禍は一軍と二軍の距離を確実に縮めていて、今年中の完全開花はしないまでも一軍で多く経験を積めている選手は多い。これは将来生きてくるだろう。
願わくは、はやく各チームの大量離脱が収まって、リーグ戦が正常に行えるようになって欲しいものである。