【選手考察】ジャシエル・ヘレラ選手の2022年7月成績
さて満を持してジャシエル・ヘレラ投手。
ヘレラ投手は、育成選手として来日して以降、たった数ヶ月で子猫のエースにまで上り詰めたと言っていい。
インタビュー記事によって、コドラド選手と同じくセギノールさんが連れてきたことが明らかになっている。
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特徴についてはあとで細かく見ていくとして、まずは7月の登板試合を見ていこう
イニングを徐々に増やし、7/26の楽天戦ではついに9回を投げきっている(延長に入ったため完投ではない)。今年は11連敗を喫するなど楽天に全く勝てなかったが、ヘレラ投手だけで2勝をゲットできているのも大きい。
子猫1のイニングイーターなのだが、イニングを食える理由は非常に球数が少ないことにある。7/2は6回2/3を107球と少し嵩んだものの、/14は7回を78球、/26は9回119球である。本田圭佑昇格後の子猫を支える貴重な存在だ。
ただ、7月は良かったものの、その前後の6/25、8/2はそれぞれ5失点、3失点と崩れ気味だった。これは両日とも非常に暑かったことが原因として考えられる。まあ、暑い日の屋外デーゲームが得意な投手などほぼ皆無と思うが、体力面では最近伸びているものの、まだまだこれからとも言える。
7月の数字を見る前に、一体どんなピッチャーなのか?というところから見ていきたい。ファームの試合を実際に観られる人は限られるだろう。中南米から来た育成ピッチャーということで、荒いけど豪速球の投手というイメージがあるかも知れない。
しかし実態はまったく逆なのが面白い。特徴を列挙すると、
- 平均球速141km/hのストレート
- スライダーが全投球の36.7%。残りはチェンジアップ4.4%、カーブとカットは1%
- 空振り率10.8%。ボールゾーンスイング率31.5%、ボールゾーンコンタクト率52.4%とリーグの中ではボールゾーンで振らせかつ打ち取るるタイプ
- ゴロ/フライの比が1.32とリーグの中ではゴロが多い部類に入る
- 打球のHard%が23.5%とリーグの中では少ない部類に入る
ということで、球速はないけど縦に曲がるスライダーを武器に、相手のタイミングをズラして三振やゴロを奪う軟投派である。入団時の報道では最速156km/hとあり、変化球もスライダー、カーブ、チェンジアップ、シンカーを操るとあったが、実際にはストレートは140km/h前後、変化球のほとんどはスライダーである。しかし組み立ての良さは前評判以上であり、日本の野球にもすぐさま適応した印象である。魔球スライダーでばっさばっさと相手打者を打ち取っていく様は気持ちがいい。
この変化球の魔球ぶりは下の動画を見てもらいたい。
⚾️イースタン・リーグ⚾️
— イレブンスポーツ (@ElevenSportsJP) June 19, 2022
西武先発 #ヘレラ 投手🦁
初回三者連続三振を奪う立ち上がり🔥🔥
🆚西武 vs DeNAhttps://t.co/leV3pgh0oK#プロ野球 #ファーム #イレブン・西武 pic.twitter.com/IUwWiznYGR
⚾イースタン・リーグ⚾
— イレブンスポーツ (@ElevenSportsJP) July 14, 2022
西武先発 #ヘレラ 投手🦁✨
大きく割れる変化球で三振を奪う✊🔥
ここまで無失点・4奪三振と好調のピッチング👍👍
🆚西武 vs 楽天 https://t.co/tAF3Aozxp3#プロ野球 #ファーム #イレブン・西武 pic.twitter.com/SbI3L7p8wE
次に主な指標を見てみよう。こちらは①7月の成績と②レギュラーシーズン全体を比較する
非常に安定していると言ってよいだろう。以前はイニングが進むと疲れなのか打者が慣れたためか打ち込まれるシーンが目立ち、それが防御率の悪化原因だったのだが、7月は長いイニングをしっかりと投げられるように成長している。先程も書いたが猛暑日でなければかなりの割合で好投している。
ヘレラ投手の今シーズンの支配下はないわけだが、来年は頭から支配下でもおかしくないが、変化球で幻惑するどっちかというと「初見殺し」のピッチングスタイルなのが不安要素である。二軍では相手を研究することはほぼないだろうけど、一軍はすぐさま研究される。球速を上げるといった基礎能力の向上によって初見以外でも抑えられることが必要かも知れない。