西武の若手を見守るブログ

埼玉西武ライオンズの若手や二軍についての備忘録です

ライオンズの年齢構成を確認してみる

来月はもうドラフト会議が行われるし、寂しい話だが戦力外通告や現役引退のニュースも出てくる季節なのである。また現役ドラフトも始まり、今までとは違った選手の異動があるのだろう。もちろんFAも大きなイベントである。

 

そこで、今日は試合もないので選手の年齢構成の表を作ってみた。改めて並べてみると、この選手とこの選手が同い年なんだ、とか、キャリアが長いと思った選手がまだまだ若かった、とか色んな発見があるものである。ちなみに年齢は3月31日時点のものである。

今年ドラフト会議にかけられる大卒選手は年齢的には牧野選手や渡邉U投手と同世代となる。したがってこの世代は来年から「大卒並み」と見做されるということだ。牧野選手は今年一軍で活躍しながらもTJ手術、上間投手もTJ手術からまだ復帰できずと苦しい世代だが、渡邉投手や松岡投手はファームながらも次第に良い形を作っているので、来年は大卒ルーキーに負けずに飛躍を遂げてほしい。

 

投手陣:27歳以下で厚みのある先発陣、分散しているリリーフ陣

さて年齢的なボリュームゾーンを見てみると、投手のボリュームゾーンは27〜23歳の間にかなり集中している。特に先発は表を見るだけでも一目瞭然で、外国人のエンス投手、中継ぎとの併用である平井投手の他はかなり若い。隅田投手や佐藤投手が成長し、赤上投手や浜屋投手、渡邉投手、ヘレラ投手の誰かが台頭してくれば若手だけでもローテを組めるくらいである。

 

一方リリーフ陣は先発に比べると中堅・ベテランも混じってバランス良く散っている。松岡・井上投手がここに組み込まれれば若さも十分ではある。ただ、増田投手がほぼ投手陣最年長であることと、左腕である武隈・佐野・公文投手が比較的年齢高い上に故障がちであることを考えると、ここは補強ポイントと言えるかもしれない。特に中継ぎ左腕については佐々木投手(あとTJ明けで齊藤大将投手)の下の年代はいきなり10代となるので、佐々木投手の負担は大きくなっている。このあたりドラフト等でどう動くのか注目される。

 

野手陣:伸び悩む26〜23歳、盛り上がってきた21歳以下

このように若い投手陣に比べると、野手陣で不動のレギュラーを獲得してるのは27歳の森選手が最年少であり、26歳以下は人数は多いもののレギュラーを掴み切れてない。いわゆるコア4プラス骨牙がチームの中核にいて、29歳の呉選手、川越選手が脇を固め、25歳の愛斗選手、24歳の鈴木選手がレギュラーを狙うという構造である。この4選手にとって今年はそれぞれが一時期可能性を見せていただけに、その全員が怪我あるいはコロナに悩まされたのは本当に残念である。また26歳の山田選手、25歳の柘植選手も今年は出場機会も多く守備面の貢献が大きかったが打撃の面では厳しい結果になってしまった。

その他の27〜23歳の選手にとって今年は不本意なシーズンだろう。活躍できなかった理由はさまざまだが、人数は多くいるこの年代の選手がハイレベルな競争を出来なかったことが、チーム全体の打撃力に影響を与えてしまっている。

ただ、だからと言って他チームに比べ選手が伸びてないのかというと判断はしかねる。20代後半〜30代の選手層については、西武の場合はコア4や骨牙が突出してるものの絶対数は多くないのである。28〜29歳の選手は川越、呉、山野辺選手の3人しかいない。

ということで表にしてみた。

何歳からを中堅・ベテランとするかは恣意的になってしまうが、仮に28歳以上とすると西武は13人で日本ハム12人、ソフトバンク13人と同じレベル。他方ロッテ18人、楽天17人、オリックス15人であり、数でいけば西武がそこまで高齢というわけではない。コア4+浅村選手が早めに台頭して長くやっていることで、実際よりも高齢のイメージになっているのかも知れない。

なので若手が少ないというよりも、コア4の直下にいる選手層が薄く、人数的なボリュームゾーンである26〜23歳の層はまだ育っていないので谷間が出来ている、と考えるのが正解なのかも知れない。時間と経験が解決してくれる可能性もありそうである。

上の世代が課題を抱えている一方で、21歳の川野選手以下の世代(手術で離脱していなかったら牧野選手もここに含めて良いだろう)は最近非常に活発である。古市選手はあまり試合に出ていないものの、長谷川選手・滝澤選手・川野選手は長い期間一軍に帯同した。山村選手・仲三河選手は一軍昇格はないものの、ファームにおいて飛躍を始めている。それぞれ課題はあるが、それぞれポテンシャルを発揮し始めているのは心強いところだ。

 

ドラフトのポイントは?

ということでまとめてみると、投手陣は27〜23歳が戦力的にもコアになってるのに対し、野手陣はこの年代がまだ伸びておらず、それを挟む上の世代と下の世代が元気ということである。ドラフト会議もこうした年齢構成を把握した上で見ると、球団の戦略がより明確になって面白いのではないだろうか。

今年のドラフトは野手重視ではないかと囁かれ、大学生の蛭間選手や高校生の浅野選手といった名前が上がっている。大卒野手、特に外野は近い世代に多くの選手がいるので、その中で抜け出せるだけの実力が求められる。それだけではなく下の世代、もっと言うと長谷川選手とも比較される。もしこのような年齢構成を踏まえた上でそれでも大卒外野手を選んだとすると、球団としてその選手に対し格段に高い評価を下していることになる。

ドラフト予想をしても意味がないので、あくまで年齢構成を踏まえた上での補強ポイントを考えるとすると以下のようになる。

  1. 高卒スラッガー候補
  2. 二遊間を守れる即戦力(大卒・社卒)
  3. 即戦力の中継ぎ(特に左)
  4. 大卒・社卒の先発右腕

1.チームの方針もあるのだが、外野が26〜23歳に固まっている一方で、内野特に二遊間を守れる若手は21歳高卒が中心である。先にも書いたが大卒の外野手はそうした固まりの中に飛び込んでいくわけで、構成的に見ると外野手を穫るなら高卒の方がバランスは良い。また1塁候補であっても、高卒だと渡部・ブランドン両選手と6歳差になるためこれまたバランスが良い。挙がってる名前で行けば浅野選手や内藤選手はチーム事情からしても丁度よいように感じる。

2.外崎・源田両選手はFAを控えており、残留してくれたとしても年齢や故障によってフルシーズンやれるかはわからない。実際、去年も今年も離脱がありチームとして大きな損失となった。外崎・源田選手の控えは年長組でいくと山野辺・山田・平沼選手がおり、23歳で中山選手、あとは21歳以下の川野・山村・滝澤選手がいる。が、西武のコア中のコアのポジションであることを考えると、頼れる内野手がもう一人いることで非常に助かるのではないだろうか。

3.上に書いたが、増田選手の年齢、中継ぎ左腕のメンバー構成的に即戦力型のリリーフは獲りにいくのではないだろうか。

4.エンス投手が来季もやってくれるのか、平井投手はFAもあるし先発なのかリリーフなのか不明ということで、それ以外のローテ候補は與座・髙橋光成・松本・今井・隅田投手と5枚並べられる。だがその次となると渡邉・佐藤・浜屋・赤上・ヘレラ投手となって一軍実績的には不安なので、23〜25歳くらいの先発候補が1枚入ることでローテがさらに安定する。これはかなり贅沢なチョイスである。上に列挙した先発候補よりも実力が落ちる選手を指名しても仕方ないわけで、そうなるとドラフトでも上位にならざるを得ない。さすがに今年は野手が優先されるのではないかと思うが、もしこれが来たらガチに投手王国になりそうである。

 

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