【選手考察】鈴木将平は松本剛になれるか?
コロナで離脱しちゃったけど、その直前の鈴木将平選手の活躍は目覚ましいものがあった。何しろ7月は39打数で16安打、打率は.410を記録した。また課題とされていた四球も4個取っていた。
高卒で早めに出てきたから勘違いされがちだけど、将平選手はまだまだ若く24歳。大卒2年目の選手と同じ世代である。日ハムの松本剛選手より5歳も若いのだ。
これまた勘違いされがちだけど、松本選手は近藤選手や上沢選手と同年に入団しており、キャリアは非常に長い。11年めの今年、やっと本格的な覚醒を遂げている。ということで、鈴木将平選手が松本剛選手になるまでにはあと5年も猶予があるということになる。
では、将平選手は将来、松本選手並みの打者になれるのか?このブログは応援ブログなので、「なれる」というのが結論だ。つまり首位打者は将平。
ただ、根拠なしでポジっているわけでもない。実は松本選手のプチブレイクがあったのは今の将平選手と同じ年齢だった2017年である。この年に一軍でそれなりの結果を出した。その後長きにわたる雌伏のときがあったものの、それもまた今年の本格ブレイクのために必要な期間だたのかも知れない。
ということで、松本選手の2017年と将平選手の今年の一軍成績を比較してみよう。まずは簡単なやつから。
- 松本剛(2017) .274(402−110)5本 OPS.667(.314+.353) BB/K% 0.34(4.7/13.6)
- 鈴木将平(2022) .266(128−34)1本 OPS.614(.293+.320) BB/K% 0.36(3.7/10.4)
長打力にちょっと差があるが、概ね大きな差はない。面白いのは三振と四球の割合がほぼ同じということである。将平選手も松本選手もあまり四球を選ぶタイプではない。
もうちょっと細かく、DELTAさんのデータを使って打席でのアプローチを比較してみる。参考として、一番下に今年の松本選手を付けておく。
|
スイング率 |
コンタクト率 |
空振り率 |
||||
ゾーン外 |
ゾーン内 |
スイング率 |
ゾーン外 |
ゾーン内 |
コンタクト率 |
||
松本剛(2017) |
27.8 |
57.9 |
42.4 |
74.5 |
96.5 |
89.0 |
4.6 |
鈴木将平(2022) |
27.1 |
67.2 |
48.0 |
75.4 |
90.9 |
86.7 |
6.4 |
松本剛(2022) |
30.1 |
65.3 |
46.7 |
82.2 |
95.5 |
91.0 |
4.2 |
ほら一緒やんけ!と言うほどでもないが、松本2017と将平2022ではゾーン内のコンタクト率以外はけっこう近い。松本選手はこの2017年から空振りしないバッターになるのだが、将平選手も西武の中では源田選手の次に空振りしない選手である。
ついで、どんな打球を打っているのかを比較してみる。参考として3/4月および7月の将平選手の数字も付けてみた。ゴロとフライのところにある()はそれぞれゴロアウト率、フライアウト率である。
打球の性質(%) | 打球の方向(%) | 打球の強さ(%) | |||||||
ライナー | ゴロ | フライ | 引っ張り | センター | 逆方向 | 弱い | 中くらい | 強い | |
松本剛(2017) | 10.2 | 41.8 (68.5) |
48.0 (75.9) |
35.0 | 37.0 | 28.0 | 26.4 | 41.4 | 32.1 |
鈴木将平(2022) | 8.8 | 55.3 (69.8) |
36.0 (80.0) |
31.3 | 37.5 | 31.3 | 17.7 | 51.3 | 31.0 |
鈴木将平(3/4月) | 6.4 | 53.8 (81.0) |
39.7 (81.5) |
32.9 | 40.8 | 26.3 | 16.9 | 55.8 | 27.3 |
鈴木将平(7月) | 14.7 | 61.8 (47.6) |
23.5 (85.7) |
29.4 | 29.4 | 41.2 | 17.6 | 44.1 | 38.2 |
松本剛(2022) | 7.9 | 51.6 (67.4) |
40.5 (59.6) |
28.1 | 43.8 | 28.1 | 16.1 | 46.9 | 37.0 |
こうやってみると、松本選手はもともとフライ打ちが多いのに対し、将平選手はゴロ打ちが多いのでタイプが違う。確かに、松本選手が内野手の頭を越すようなフライヒットを打っているのをよく見るが、フライの4割をヒットにするくらいフライ打ちを極めているのは凄い。
一方、7月の将平選手は強いゴロ、あるいはライナーを広角に打つことで安打を稼いでいることがわかる。打撃好調のときフライが増える選手が多いが、この月はむしろフライを打たないようになっている。この、逆方向に強い打球が打てるようになったことが好調の理由だろう。ゴロの5割を安打にしてるのは驚異的ではある。まあこのまま出続けていてもどこかで収束していただろうけど・・・。実際に試合を見ていても、3/4月は振り抜くことにこだわってなかなか結果が出なかったが、7月は強く当てることを心がけているような印象だった。
ということで、ゴロ打ちとフライ打ちでタイプは違うものの、鈴木将平選手が数年後に松本剛選手のような首位打者になるのは確実と見ていい。根拠は?と問われれば、これが応援ブログだからだ。あと2年もすれば、3割に楽々到達するだろう。私にはその姿が見える。